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LastUpdate 2016/09/05

ブラインドサイト~小さな登山者たち~

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山に関する映画、『ブラインドサイト~小さな登山者たち~』を紹介しています。

★★★★★山に興味が無い人にも見て欲しい名作
★★★★山が好きなら見逃せない
★★★山が好きなら損は無い
★★暇があったら見てもいいかも
う~ん・・・

ブラインドサイト~小さな登山者たち~

ブラインドサイト~小さな登山者たち~
製作2006年/イギリス
監督ルーシー・ウォーカー
主演サブリエ・テンバーケン/エリック・ヴァイエンマイヤー/ポール・クローネンバーグ
評価★★★★

偏見無く見ればこれほど良質の登山映画も珍しい

視覚障害者として初めてエベレストに登頂したエリック・ヴァイエンマイヤーと、自身も視覚障害者の女性教師が、目の見えない子供たちとヒマラヤの7,000m峰、「ラクパリ」の登頂に挑む姿を追ったドキュメンタリー。

変に感動を押し付けたり説教臭い教訓めいた話も無く、子供たちが登山する姿と、少々のサイドストーリーを淡々と撮っている。ときに子供そっちのけで大人たちの都合に振り回される様子、視覚障害者に対する古い因習に基づく偏見、それらもあるがままに現実として描かれる。また、それとは関わり無く、目の見えない子供たちが屈託ない笑顔で登山を楽しんでいる様子など、健常者が障害者に寄せる「同情」の意味を考えさせられることも。この映画に「感動的なストーリー」はありません。山の美しい風景も今回は名脇役といったところ。しかし、何か忘れていたことを思い出させてくれる、そんな映画です。

我々は本当の登山をしているのか

少し長くなりますが、映画内で女性教師が語る言葉が印象に残ったので紹介したいと思います。この言葉を、登山を「山登り競争」と考えている人たちに贈りたい。また、これから子供と登山を楽しもうと考えている親御さんにも。

「目が見えないと、想像力を使います。絶え間ない想像力の世界です。におい、触感、音からすべてを想像します。時々立ち止まって、そういう感覚を使って楽しむのです。子供たちも言いました。ただ歩いて登るだけでは面白くないと。話をしたり、物語を考える時間もなく、嗅いだり聞いたりする暇もない。つららが落ちる音、それぞれ違う音がするヤクのベル、すばらしいのに。これでいいのかとは思います。目標は"全員で頂上"でいいのか。本当に子供たちのための登山なのか。何かを誇示するためではないのかと」

どうでしょうか?これはあなたにだって感じることが出来るはずです。やり方は簡単。登山の休憩のときにでも、暫し目を閉じて耳を澄ませれば・・・

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