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富士山遭難事故の記録 2016年 4月9日

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富士山で起きた遭難事故をまとめています。

16歳男性 軍手、長靴でSOS

軽装で登山経験もなし

4月9日の土曜日夜、16歳の男子高校生が7合目付近で身動きが取れなくなり、母親を通じて通報がありました。

News!

毎日新聞の公式WEBサイトからの引用です。

2016年4月10日 東京朝刊

 9日午後7時15分ごろ、東京都江戸川区の高校2年の男子生徒(16)から「富士山に出かけたが、身動きが取れない」と母親を通じて山梨県警に通報があった。県警富士吉田署によると、山梨県側の7合目(標高約2800メートル)付近にいて、けがはないとみられる。県警が10日早朝から救助に向かう予定。

 同署によると、生徒は9日午後2時から単独で登山を開始。母親の県警への説明では、生徒に登山経験はなく、冬山の装備はしていないという。富士山の山梨側の山開きは7月1日で、この時期の登山道は雪に覆われている。気象庁によると、9日午後7時の山頂の気温は氷点下8・3度。【藤河匠】
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無事救助される

生きてるのが不思議なくらい

救助作業は、翌10日午前4時半過ぎから開始され、ヘリコプターにより発見、無事救助されました。

この男子高校生に登山経験はなく、装備も、軍手に長靴という、およそ冬山を登る装備ではありませんでした。もちろん、ヘッドランプも持っていなかったことから日没で行動不能になったようです。都会に住んでいると、夜は真っ暗になるということも忘れてしまうのですね。

そのような装備ですから防寒着なども不十分だったと思われますが、-10℃近い厳寒の夜をよくぞ生き抜いたものです。気象庁のウィンドプロファイラでは、この日は欠測が多く判然としませんが、恐らくあまり強い風が吹かず、風を避けて岩陰にでも隠れて何とか一夜を明かしたのでしょう。1合目下から登っていることからも、体力や忍耐力は人並み以上にあったのだと思います。それが不幸中の幸いでした。

News!

NHKが運営する公式WEBサイトからの引用です。

富士山で高校生を発見無事救助

04月10日 06時55分

9日、山梨県側から富士山に登り夜になって身動きがとれないと家族を通じて警察に連絡があった東京・江戸川区の高校生は、警察が10日朝からヘリコプターで捜索した結果、無事救助されました。

無事救助されたのは東京・江戸川区の16歳の男子高校生です。
警察によりますとこの高校生は9日午前中、山梨県側の1合目付近から1人で登山を始めたとみられていますが9日午後7時ごろになって、「日没のため、7合目付近で暗くなり、身動きがとれない」と家族を通じて警察に連絡がありました。
警察では、10日午前4時半過ぎから山岳救助隊を出して救助に向かっていたほか、午前6時過ぎからはヘリコプターで空からの捜索も行っていました。
その結果、ヘリコプターがこの高校生を発見し、無事、救助したということです。
高校生が身動きをとれなくなったと見られる7合目付近には大量の雪が積もっているほか、高校生は冬山の装備も十分ではなかったということです。
高校生はこのあと病院に搬送され健康状態などを調べるということです。
News!

日本テレビが運営する日テレNEWS24からの引用です。

軽装備で登山 富士山で男子高校生を救助

2016年4月10日 14:25

 富士山に登っていた東京都内の男子高校生が7合目付近で身動きが取れなくなり、10日朝、無事に救助された。

 救助されたのは東京都江戸川区の高校2年生の男子高校生(16)。警察によると9日午後7時すぎ、富士山の山梨県側の登山道を1人で登っていた高校生から「暗くて身動きが取れなくなった」と家族に連絡があった。通報を受けた警察が10日早朝から救助に向かったところ、午前6時半ごろ、ヘリコプターが7合目付近にいる高校生を発見し、救助した。高校生にけがなどはなかった。

 登山道は大量の雪に覆われていたが、高校生に登山経験はなく軍手に長靴姿の軽装備だったという。
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警告を無視した末に

無知ほど怖いものは無い

5合目の佐藤小屋で警告されていたようです。

<追記>

のちの報道では、長靴にアイゼン(滑り止めの鉄の爪)をつけて登っていたそうです。長靴は造りが柔らかいので、アイゼンをガッチリ固定することは出来ません。ちょっと足を捻ったりしただけでアイゼンが外れたりズレたりする可能性が高く、捻挫や滑落も起こり得ていたわけです。

News!

スポーツニッポン新聞社が運営するSponichi Annexからの引用です。

長靴に軍手で富士登山 身動きとれず江戸川区の高校生救助

2016年4月11日 05:30

富士山の7合目付近の登山道で身動きできなくなっていた東京都江戸川区の男子高校生(16)が10日、山梨県警のヘリコプターで無事救助された。

 山梨県警富士吉田署によると、高校生は9日午後2時ごろ、山梨県側にある吉田口登山道から1人で山頂を目指し登山を開始。7合目付近で暗くなったため身動きできなくなり、家族に携帯電話で連絡した。通報を受けた県警が10日早朝からヘリなどで捜索し、午前6時半ごろ発見した。ケガなどはないという。

 現場付近は大量の積雪があり、アイスバーン状態になっていた。気象庁によると、9日から10日にかけての山頂付近の気温は、氷点下6~9度前後だった。携帯電話は家族と連絡を取った後に「落としてしまった」と話したという。

 男子高校生は登山経験がない上に、長靴に軍手という軽装姿。5合目付近で山小屋のスタッフに「無理だよ」と声を掛けられていたという。さらに、登山計画書も提出していないという“無謀”っぷり。「日帰りのつもりだった」と説明した。

 富士山の登山シーズンは7月上旬~9月中旬で、現在、山頂までの登山道は閉鎖中。東京では桜も散りはじめ、連日20度を超える春らんまんだが、富士山は5月までは多くの雪が残っているという。気象庁関係者は「アイスバーンで強い風にあおられると、滑ってバランスがとれずに転落死することもある。富士山に簡単に登れると思っている人が多すぎる」と安易な“冬”の富士登山に警鐘を鳴らしていた。
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